特定建築物定期報告は建築基準法による義務です

特定建築物定期報告とは?

建築基準法による義務です

病院、ホテル、共同住宅など、多くの人が利用する建築物等は、老朽化等による外壁落下や避難上の不備などがあると大きな被害が発生する恐れがあります。

これらのうち政令(国)及び特定行政庁(建築主事(※注1)を置く市町村長または都道府県知事)が指定する建築物等(特定建築物)は、建築基準法第12条により「有資格者による定期的な調査・検査と行政機関への報告」が義務付けられています。

この報告制度のことを特定建築物の「定期報告」若しくは「12条点検」といい、報告には「建築物」・「建築設備」「防火設備」「昇降機等」の4種類があります。

建築基準法による義務です
種類主な対象範囲
建築物敷地・建物外部・屋上・
建物内部・避難施設等
建築
設備
機械換気設備・機械排煙設備・
非常用照明
防火
設備
随時閉鎖型の防火扉や
シャッターなど
昇降機等エレベーター・エスカレーター
など

(※注1)建築主事とは、建築基準法第4条の規定により、人口25万人以上の市などに配置される「建築確認」や「完了検査」などの建築行政に権限を持つ地方公務員のこと。

有資格者による調査・検査が必要です

「定期報告」の調査・検査を行なうことが出来る「有資格者」は下表の通りです。

建築や設備関連の公的資格には、建築施工管理技士や建築設備士、電気工事士などもありますが、無資格者はもちろん、これらの資格でも調査・検査を行なうことは出来ません。

改善リサーチ一級建築士事務所は、一級建築士・特定建築物調査員・建築設備検査員の資格を有しているため、制度上は4種類すべての調査・検査をおこなうことが出来ますが、実務上は「建築物」と「建築設備」の2種類をおこなっています。

なお、制度上「建築物」は「調査」、「建築設備」4「防火設備」4「昇降機等」については「検査」と用語が定義されています。

「有資格者」による調査・検査が必要です
資格建築物建築設備防火設備昇降機等
一級建築士・二級建築士
特定建築物
調査員
建築設備
検査員
防火設備
検査員
昇降機
検査員

特定建築物は地域によって異なります

「定期報告」」が義務付けられる「特定建築物」は、政令(国)で定めるものに、特定行政庁(建築主事を置く市町村長または都道府県知事)が指定するものがプラスされるため、地域によって異なります。

福岡県の特定行政庁は、①福岡市長・②北九州市長・③久留米市長・④大牟田市長・➄福岡県知事(①~④以外の地域)の5つです。

「特定建築物」は地域によって異なります

指定されている建築物の用途はいずれも、下表に示す9用途ですが、福岡市だけはこれに「地下街」を加えた10用途になります。
それぞれの用途の建築物が全て指定される訳ではなく、階数・規模などによって指定の有無が決まっています。

(詳細は各特定行政庁等が公表しています。(以下外部リンク))

また報告の頻度は、建築物が1回/3年、建築設備が1回/1年です。(※福岡県の特定行政庁はいずれも、「共同住宅の建築設備」については報告対象外です。)

用途建築物建築設備
劇場、
映画館等
1回/3年の
調査・報告が必要
1回/1年の
検査・報告が必要
(共同住宅は対象外)
ホテル、旅館
病院
百貨店、
マーケット
共同住宅
飲食店等
有床診療所
就寝用
福祉施設
体育館、
博物館等

建築物の調査項目

 1回/3年の報告が求められる福岡県の「建築物」は、法令等で定める項目(全132項目)・方法に沿った調査が必要です。

調査結果は、所定の報告書にまとめ、図面・調査写真を添えて特定行政庁(福岡県知事または福岡・北九州・久留米・大牟田の各市長)宛に報告(提出)して内容についての審査を受けます。

大項目細項目
敷地及び地盤地盤沈下の有無・通路・塀・擁壁等の状況など
(9項目)
建築物の外部基礎・躯体・外装タイル(モルタル)・窓サッシ等の状況など
(18項目)
屋上及び屋根屋上面・パラペット・排水溝・機器工作物等の状況など
(9項目)
建築物の内部防火区画や防火設備、採光及び換気、内部躯体等の状況など
(45項目)
避難施設等廊下や階段、排煙設備・非常用照明の状況など
(33項目)
その他免震装置等の特殊な構造や避雷針・煙突等の状況など
(9項目)
上記以外防火扉や共同住宅の非常用照明の作動状況など
(9項目)
「建築物」の調査項目
「建築物」の調査項目
「建築物」の調査項目
「建築物」の調査項目
「建築物」の調査項目
「建築物」の調査項目

建築設備の検査項目

 1回/1年の報告が求められる福岡県の「建築設備」の検査対象は『換気設備』『排煙設備』『非常用の照明装置』の3設備で、「建築物」の調査と同様、法令等で定める項目(全202項目)・方法に沿った検査が必要です。

検査結果は、所定の報告書にまとめ、測定値(根拠共)等を添えて特定行政庁(福岡県知事または福岡・北九州・久留米・大牟田の各市長)宛に報告(提出)して内容についての審査を受けます。

検査対象の「建築設備」にはもう一つ『給排水設備』がありますが、福岡県では対象外になっています。

対象設備主な検査内容
換気設備無窓居室・火気使用室の機械換気設備の作動状況確認及び換気風量の測定など
(45項目)
排煙設備排煙機・排煙口の作動状況の確認及び排煙風量の測定など
(117項目)
非常用の照明装置非常用照明の点灯状況の確認及び床照度の測定など
(40項目)
「建築設備」の調査項目
「建築設備」の調査項目
「建築設備」の調査項目
「建築設備」の調査項目
「建築設備」の調査項目
「建築設備」の調査項目